今話題になりつつあるウニ駆除や磯焼けの問題。
普段の生活では耳慣れない言葉だと思いますのでピンとこない方が多いと思います。
磯焼けとは?
そもそも磯焼けとは何か。
海の中の生き物たちの大事な住処・餌場である藻場(海藻や海草)。
そんな大切な藻場で増えすぎたウニが新しく芽吹いた海藻を食べてしまうのです。
そうなると藻場がどんどん減ってしまい、焼け野原のような状態になってしまいます。
そんな状態の海底のことを磯焼けと言います。
磯焼けにより海中生物のエサも住処も無くなってしまいます。
磯焼けの影響は魚だけにとどまりません。
甲殻類やサザエやアワビなど、色んな海中生物がいなくなってしまうのです。
これは【海の砂漠化】とも呼ばれています。
私たちダイバーにとっても、好きな生き物たちを見る場所・機会が減ってしまうのす。
世界の海でも問題に
この磯焼けの問題。
実は日本だけではなく、世界のいろんな海で深刻な問題・社会問題となっているのです。
原因となるウニが増えている要因、それは地球温暖化などの気候変動による海水温の上昇や海流の変化とも言われています。
このままでは、ウニの増えるスピードは増すばかりです。
ウニにとっては餌をいっぱい食べた結果、増える。
ウニを食べる人間にとっては、良いようにも思えますが、実際はそうとは言えません。
磯焼けはウニ自身の首もしめる
まず、磯焼けが起きている場所のウニは、結果的にエサ不足になります。
そうなると、中身はスカスカで食べるところが少なく、売り物になりません。
更に、陸にあげて処分をしようにも産業廃棄物として処分費用がかかることから手つかず。
そしてご存知かもしれませんが、日本近海には約140~160種のウニが生息していると言われています。
その中で食用とされている種類はごく一部だけなのです。
ちなみに、ダイバーがウニと言っておそらく一番に思いつくであろう【ガンガゼ】。
このガンガゼは一般的には食べられないウニの代表格です。
※一部地域では食用として水揚げされる地域もあるそうです。
ウニの駆除活動と成果
水揚げして処分するにも高額な費用が掛かる。
それが海中でウニを叩き割るプロジェクトが始まったきっかけです。
現在では、全国の漁協を中心に実施されています。
※環境保全の為に!と個人的に行うのは禁止されています。
ウニ駆除の仕方は、捕獲ではなく鉄の棒などで、次から次へと叩き割るだけです。
ウニ駆除を始めてすぐは、新しく芽吹いた海藻を食べられてしまいなかなか成果が表れなかったそうです。
しかし、月一のウニ駆除作業を続け、4年目にして海の砂漠化と呼ばれている磯焼けだった場所に緑がたくさん現れているという結果も出ています。
なにごとにもコツコツですね!
普段のダイビングでこのような活動はできませんが、大好きな生き物たちのためにゴミ拾いもサンゴの植樹活動もコツコツやっていき海の生態系を取り戻しましょう!