海の中で擬態上手なタコ、ダイバー泣かせですよね。
擬態されてしまえばなかなか見つけられないかくれんぼ名人(?)のタコについて今回はお話ししたいと思います。
近海で出会いやすいタコの種類
ダイビング中、ふと視線を向けた岩の隙間から、にゅっと腕が伸びてきた経験はありませんか?
和歌山や三重方面の海でよく出会うタコといえば、やはり「マダコ」。
赤褐色で、腕もしっかり太く、「これぞタコ!」という存在感のある姿が特徴です。
一方で、同じタコの仲間でも、やや小ぶりで可愛らしい印象の個体を見かけた場合は、イイダコかもしれません。
見た目は似ていても、サイズ感や体色の違いを意識して見ると、観察がぐっと楽しくなります。

マダコは特別めずらしい生き物ではありませんが、
じっくり向き合うと「こんな特徴があったんだ!」と驚かされる生態の宝庫。
今回は、そんなマダコの“目”に注目してみましょう。
タコの目に注目!
タコの目を正面から観察したことはありますか?
よく見ると、瞳孔が横に細長く、まるでヤギの目のような形をしています。
この独特な形は、水平方向の視界を広く確保するためだと言われています。
岩陰や砂地に身を潜めるタコにとって、周囲の変化をいち早く察知することはとても重要。
横長の瞳孔は、光の変化や動きを効率よく捉え、広い範囲を一度に見渡すのに役立っているのです。
日中は、この目で周囲の模様や影を読み取り、
体色や質感を自在に変えるカモフラージュを披露してくれます。

さらに面白いのが、暗くなると目の表情が変わること。
夜や薄暗い場所では、瞳孔が大きく開き、まん丸な目になるのです。
昼とはまったく違う印象に、思わず見入ってしまいます。
そんな生き物たちの“夜の顔”を観察できるナイトダイビングも、また格別。
時間帯によって表情を変える海の世界を、ぜひ一緒に体験してみましょう🤿



